8/02/2008

GUCCI(グッチ)とFRIDA GIANNINI(フリーダ・ジャンニーニ)

愚痴 by 口(グチ)

  1. 「川口市の澤口さんが、グッチのがま口財布を買ったら偽物だった、って電話口で愚痴ってるわ」
  2. 「待ち焦がれたものがきのう届いたばかりなのに気の(う)毒ね。バッタもんつかまされてバタンキューなんだわ」
  3. (汗)
(参照)gucci by gucci

奪われたブランドが残したもの

 イタリアの名門ファッションブランドGUCCI(グッチ)は、GUCCIO GUCCI(グッチオ・グッチ/1881-1953)により1923年にイタリアのフローレンス(フィレンツェ)に設立されました。バッグ財布などにおいてメンズ物が充実しているので個人的に好きなブランドの一つなのですが、そうした作品群ばかりでなく、グッチ・グループとしてファッション流通業界において重大な地位を占めているので、その経営面も興味深いところです。このブログでも既にとりあげたイブ・サンローランステラ・マッカートニーもグッチ・グループの傘下にあり、他に名門バレンシアガボッテガ・ヴェネタなど日本市場でもおなじみの人気ブランドがその傘下に名を連ねています。

ザ・ハウス・オブ・グッチ グッチ家・失われたブランド―イタリア名門の栄光と没落 (NHKスペシャル 家族の肖像)

 こうしたブランドのコングロマリットが形成されたのも、グッチの資本が創業者一族の支配から離れフランスの大手流通会社PPRの手に移ったことに起因しています。その資本移動の発端は、二代目の甥マウリツィオ・グッチがグッチの株式を独占後に妻により命を受けたマフィアの手で暗殺されてしまったこと。残された一族で資本を束ねることができず結果的にアラブ資本に吸い込まれました(引用:ウィキペディア)。ただ、以上のようにブランドの歴史や背景にゴッド・ファーザー的なキナ臭さを伴っているものの、それでも冠名は頑なにGUCCI。創始者の功績を称えています。


2008FALL/2009RESORT/FRIDA GIANNINI(フリーダ・ジャンニーニ)

 グッチのデザイナーとしては90年代を席巻したトム・フォードが有名なところですが、現在は、FRIDA GIANNINI(フリーダ・ジャンニー二)というローマ生まれの美人デザイナーがクリエイティブ・ディレクターとしてメンズとレディースの両方のデザインを統括しています。

 2008FALLや2009RESORTのコレクションを見る限り、あるいはフリーダ・ジャンニーニのセンターに分けられたヘア・スタイルにも表れている通り、70年代のヒッピー風もしくはグラム風テイストがデザインに盛り込まれていると認識できます。とはいえ、金の鋲や華やかなアクセサリーによりワイルド感はことごとく抑えられ、全体としてはノーブルに仕上っているのも特徴的です。一言でまとめるならば、彼女の基本的なデザイン・コンセプトはジプシーなジェット族、と言ったところでしょうか?こうした基本方針が今後も貫かれていきそうな気配を、彼女の信念の強そうな眼差しの中に感じられます。


(補足)シンボル化しているデザイン・モチーフ

グッチ・バンブー
第二次世界大戦中、材料である皮革の不足からバッグのハンドルに竹を使用したところこれが大ヒット。災いが転して福となした好例で、バッグに限らずアクセサリーなどのデザインに取り入れられるグッチのデザイン・モチーフの一つです。
ホース・ビット(ビット・モカシン)
スリッポンの飾りのデザインに馬のハミ(ホース・ビット…馬の口にはめる金具)を取り入れたビッド・モカシンがセンセーショナルなヒットを飛ばして以来、グッチの代表的なデザイン・モチーフとなりました。
グッチ・ウェビング
基本は中央に赤色、両端が緑色の帯。ツートン・カラーをトリコロール風に表現したデザインです。